2012年11月17日(土)21時の回で見ました。
インドネシアからやって来たアクション映画の金字塔。それが「ザ・レイド」。
冒頭の新人主体の警察特殊部隊のシーン以外は犯罪王が拠点を置く老朽高層ビル内で物語が進行。銃撃戦、ナイフ&トンファによる近接戦闘、そしてシラットなどの肉弾戦という風に物語が進行。隊員がトンファが床に落ちているのを放置して先に進むという論理がよく分かりませんが、論理的な理由を演出として入れて来ているのは確か。
TBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」名物コーナーの「シネマハスラー」でも取り上げられていたのですが、「どちらかといえばウィザードリー」「ゾンビ映画の系譜に近い」といった評論は全く同感。
あと低予算を言い訳にしていない映画作りについて賞賛されていましたが、どのようにして撮影していたかという話を聞いていて、予算不足はある程度なら知恵で乗り越えられる事を本作は見事に示しています。
戦闘シーンが多い影響でキャラクタ造形が浅く見える弱点がありますが、特殊部隊指揮官に起きる出来事以降、キャラクタに深みを与える為の演出が織り込まれていて(しかもこれは伏線はちゃんと張られている)中々考えられています。
ビル内バトルにフォーカスした影響で時間の長さを感じたのも事実ですが、そういった弱点をさておいても頑張っていて見所のある映画だと思います。
正直、「他人の褌」の物語であるアウトレイジ・ビヨンドより良かったですね。