2012年11月4日日曜日

セントラル愛知交響楽団第123回定期演奏会

セントラル愛知交響楽団第123回定期演奏会〜秋風やマリアに捧ぐセレナーデ〜
日時:2012年11月2日(金)18:45〜21:20
会場:三井住友しらかわホール
管弦楽:セントラル愛知交響楽団

指揮:齊藤一郎
ソリスト:
 Vn=長原幸太
 Fl=大西宣人(セントラル愛知交響楽団)


プログラム:

松村禎三:ゲッセマネの夜に
黛敏郎:セレナードファンタスティック(世界初演/Fl=大西宣人)
諸井三郎:ヴァイオリン協奏曲(Vn=長原幸太)
(休憩)
山田耕筰:序曲ニ長調
團伊玖磨:ラジオ体操第二
古関裕而:NHKラジオ「ひるのいこい」テーマ曲
北爪道夫:ベストオブクラシック・テーマ音楽
黛敏郎:G線上のアリア(Vn=長原幸太)
芥川也寸志:赤穂浪士
伊福部昭:ゴジラのテーマ(交響ファンタジー「ゴジラVSキングギドラ」より)
黛敏郎:スポーツ行進曲
深井史郎:日本テレビ「鳩の休日」
團伊玖磨:無法松の一生ファンタジー
斎藤一郎:映画「眠狂四郎女妖剣」より
黛敏郎:天地創造のテーマ

アンコール:
アウグスト・ヴィルヘルミ編曲:G線上のアリア

前半は重めの編曲の三連打。松村禎三「ゲッセマネの夜に」はショスタコーヴィチの陰鬱さを思い浮かべた。続いて黛敏郎「セレナードファンタスティック」は若書きかなと思って聞いているとどんどん曲が変容して行って驚かされる。
そして諸井三郎「ヴァイオリン協奏曲」……長原幸太さんの超絶技巧が冴える。

後半はまず山田耕筰先生の序曲から。前半とうってかわって賑々しい楽曲。前半と後半は違うんだなとリラックスして聞き始める。(そして、これは思いっきり誤解でした)
団伊玖磨「ラジオ体操第二」最初の指揮の齋藤さんによるラジオ体操第1ピアノ版による模範演技の後、よもやの体操のお姉さん入場。そもそも珍しいラジオ体操第2のオーケストレーションをきちんと体操も行う。もう心の中では馬鹿受けの大爆笑。そう、こういう事はきちんと真面目に楽しまないとダメなんですよね。
このあとNHKラジオのテーマ楽曲2曲演奏。「ベストオブクラシック」では今回の公演が放送されるとの事で楽しみ。

黛敏郎楽曲再び。「G線上のアリア」。よく流れるバッハの楽曲の編曲版抜粋演奏が入り、その中で楽曲解説。解説はこのプログラムを作った西耕一さん。(Bravo!!!)
いろいろ解説頂いたのですが、私の席は2Fテラスの舞台上のあたり。指揮者や奏者の皆さんの動きが見えて好みなのですが、マイク音声は聞き取れなかったのが残念。
黛敏郎楽曲が決定的に違うのはすごくアグレッシブで強烈な楽曲である事。前半の重い楽曲再び。やられた、と思いましたが、後でセントラル愛知交響楽団の公式ツイッターアカウントの方からプログラム編成時に立て続けに重い楽曲が続かないように変更したとのお話を教えて頂きました。いや、大事な配慮でした。確かに続けてだとくじけていたかも。
しかし、この「G線上のアリア」。面白かった。ピッチカートから始まりパーカッション隊は演奏対応で場所を入れ替わる。そして最後は始まりに回帰して終わる。

衝撃の「G線上のアリア」の後は再びテーマ楽曲特集。芥川也寸志「赤穂浪士」は芥川作品では定番。そして伊福部昭「ゴジラのテーマ」。こんなに生オケで聞くと印象が変わる曲とは思わず。そしてピアノの人がいつの間にかゴジラマスクをかぶってピアノ演奏。うーん、大変ですねえと思ったり。
最多演奏の黛敏郎「スポーツ行進曲」スポーツ番組の定番テーマ楽曲ですが全曲を聞くとこれもなかなか。
齋藤一郎作曲、すわ指揮者自作?と思ったのですが、これはなんと同姓同名の方との事で時を越えたコラボレーションとして入れたとの事。今回、本当にプログラムがよく寝られていて面白い。
そして最後は黛敏郎「天地創造のテーマ」で終了。
いつもより長めだったそうですが、西耕一さんのプログラムのひねりの妙と指揮の齋藤一郎さんとセントラル愛知交響楽団の上手さが組み合わさって面白い定期演奏会でした。