9月1日ファースト・デーで見てきました。フランスであった実話(主人公の一人が書いた本が元)が元だそうです。
冒頭わずか数分のプロローグで二人の関係性が示される。そして時間が過去へ遡って二人が出会って以下に親友となっていくかが描かれ、話は再びプロローグへとつながって行く。そしてその先の未来の予感を提示。実際の二人がエンドロールで姿を見せて終える。
このようないわゆる「ハートウォーミング」=涙強奪ものでは設定を変更して映画監督と脚本家が表現したいと思った事を入れてくる訳です。本作の原作ノンフィクションは残念ながら日本語訳が存在しないため、どの程度改変されたか分かりません。
ただ、プロローグで二人の関係性を示すという手法を取ったのは本作ではうまくはまっていて、単なるハートウォーミングものから抜け出す事に成功したと思います。
比較対象するとすれば「幸せへのキセキ」でしょうか。手法は真逆ですが。
「幸せへのキセキ」の場合、母/妻が亡くなった一家の再建の物語であり、最後のエピローグとして二人の出会いが描かれます。その結果として物語が始まった事が示されて、母/妻の生きて来た証として子供たちがいる事を理解させる事で物語世界から解き放たれる構成になっていました。そういえば、こちらもノンフィクション原作の翻案映画化でした。
ノンフィクション翻案映画化作品での映画制作者側の表現の欲がうまく良い方向に作用した佳作だと思います。お勧めです。