2010年5月23日日曜日

名古屋フィルハーモニー交響楽団第369回定期演奏会II『バーセル』

名古屋フィルハーモニー交響楽団第369回定期演奏会II『バーセル』
2010年5月15日(土)16時開演
愛知県芸術文化センター(愛知県芸術劇場)コンサートホール
座席:2階R2列
指揮:ティエリー・フィッシャー
ピアノ:北村朋幹
演目:
 オネゲル:交響曲第4番「バーセルの喜び」
 ラベル:ピアノ協奏曲
 ショスタコーヴィチ:交響曲第5番


オネゲルをライブで聞くのは初めて。予習していましたが、かなり穏やかな演奏でした。曲調とマッチしていて良かったと思います。
ラベルのこの曲の選曲は一瞬”Nodame Effects"かと邪推。第1楽章は良かったと思います。第2楽章のピアノ独奏部は音が曇った印象。聞いた場所が2Fサイドだったせいでしょうか。ちょっとピアノは頂けないなぁと感じた次第。
ショスタコーヴィチは第3楽章まで音が絞り込まれた感じ。この事で第4楽章でインパクトを引き出そうとした結果だと思いますが、ちょっとオケが追従しきれていない印象を受けました。フィッシャーさんの体全体を使ったダイナミックレンジの広い指揮に対して、これかなーというのは残念でした。
名フィルは井上道義さんのショスタコーヴィチ・チクルスの交響曲第11番・第12番を聞いていますが、あの時は金管の迫力不足を感じましたが、他は良かったとの印象。この日の5番はバランスは取れているのに、肝心の全体の迫力に欠けていたなぁという印象で終わりました。(ティンパニーに代表される打楽器群は良かったですけど)
さて、秋にはその井上道義さんを招いての『レニングラード』が予定されていますが、今日の感じだとかなり不安です。

追記:新日本フィルの公演を聞いてきましたが、やっぱり何かが違う。新日本フィルは指揮者の指揮というインプットに対してきちんとしたリターン(演奏)が得られていたように思います。名フィルのこの日の演奏はフィッシャーさんがピアニッシモからフォルテッシモまで幅広い表現をされていましたが、そのインプットに対する演奏の『解像度』は粗めできちっと一致している印象は最後まで得られませんでした。
2007年の日比谷でのショスタコチクルスでの名フィルの印象からすると何か変わってしまった気がしています。秋の定演で日比谷で指揮棒を振った井上道義さんが『レニングラード』を指揮されるので、そこである程度はっきりさせる事が出来るのではないかと思います。。。

追記2:名古屋のお客さんは名フィルに対して優しすぎるのかも。(特にラベルのピアノ協奏曲)