2013年5月12日日曜日

[映画] シャドー・ダンサー

4月24日にレイトショーで見ました。
結構珍しいIRAもの。ネタバレあります。


主人公はIRAのテロ作戦に兄弟たちと一緒に従事しているシングルマザー。
ある作戦の結果、MI5に捕まりIRAに参加している兄弟たちを売るようにと追い込まれスパイに。IRA内部のスパイハンターの執拗な追及の中、MI5のコントローラーはスパイの女性に惹かれて行く。

ヒロインは頭がよく兄弟達の作戦も立案。ただ幼少期のトラウマがあってか犠牲者が出ないようにしていたという設定は面白い。
ただ、その設定はほとんど生きてこないストーリー展開が問題。
視点がいくつか別れていて結局「シャドーダンサー」という謎が物語を推進。その「シャドーダンサー」の謎を明かすのがヒロインではなくMI5の男となっているために、ヒロインが状況に翻弄されるだけの人に見えてしまう。
最後にヒロインの意思が示されますが遅過ぎた意思表明でした。

本作は原作小説を書いたジャーナリストが脚本も手掛けられています。アイルランド取材も活かしたとの事で、確かにIRAの葬儀のシーンでの緊迫感はただならぬものがあります。ただ、それが物語の骨格構築では活かされなかった点が惜しいところかと思った次第です。