2011年10月2日日曜日

「モテキ」映画版

どれだけ激しい運動をしてもずれない眼鏡CM、パルクール的な森山未来のダンスやアクションを愛でる映画としてお勧めです。あとオープニングの豪華絢爛妄想神輿のスクリーン映像化かな。。。

正直、ドラマ版の出来の良さがあって大変期待していたのですが、その観点ではまったく期待を裏切られました。悪い意味で。
まずドラマにつながる続編なのに、主人公の幸世が全く成長していなかった、というかリセットされている事が冒頭いきなり見えてしまう点は致命傷です。
森山未來のパルクール的なマニューバ(といっていいでしょう)やダンスはすごいなと思いますし、Perfume登場のダンスシーンもまるでPVのような演出ですごく面白い。そのようなスケールアップした部分がありますが、作中の幸世の独り語りの内容はドラマ版と変わりがありません。
某有名ニュースサイトとか有名タレントが実名で登場というのは、作品の虚構性がかえって目立つ結果となって引いてしまったのは確かです。もともとの原作の方が地に足がついた作品に見えてくるのが実に不思議です。
Twitterなど時事的な表現をこれでもかと入れて来ていますが、はたして数年後、10年後に映画作品としての鑑賞に耐える普遍性を持った作品なんだろうかという疑問も感じています。
何故、ドラマ版をスケールアップしたリメイク路線をとらなかったのか、と言えば、おそらくは同じ事をやりたくはなかったのだとは思います。原作自体は明確なテーマがあり一度は閉じられた世界でした。プログラムピクチャーとして通用する構造性は持っていません。だとすれば、同じ事をより大きなバジェットで作品の品質を上げるという方向性があっても良かったのではないか。
商業的な要請に基づく(それはありですが)、ドラマ版や原作の良さを損ねたという意味でよくありがちなテレビ版の続編映画というのが私の評価です。期待値を上げ過ぎた面はあると思いますが、実に残念です。