2011年10月3日月曜日

アジョシ

「母なる証明」で不気味な役をこなしたウォンビン主演映画。2回見ました。
多分今秋最良のアクションエンターテイメント映画としてお勧めです。
以下、若干ネタバレになる恐れがあるので警報発令。












2回見たのはひっかかるものを感じたため。(良い意味で)

一つがウォンビン演じる主人公の少女を助ける為に死線をくぐり抜けようと決意するモチベーションの在り処。
一つはマンソン兄弟が臓器売買をやっていた事と韓国人の死生観が関係している事がありそうです。
(追記:儒教の死生観だと臓器移植は否定的で抵抗感が強いとの由。韓国の臓器移植は仏教が中心的役割を果たしているとの事。移植の相談の会話の中で宗教を問うシーンがありますが、こういった事が背景にあっての事でしたか。。。)
作中、マンソン弟に対して主人公が「おまえは子供の臓器を別々の地方に売り飛ばした」と問いつめるシーンがあります。
ここでは主人公は明らかに死後安らかになれないじゃないかという点で詰問していて、この事が兄弟に対する怒りになっている事が分かります。1回目であまり印象に残ってなかったのが不思議です。

ある「事故」で死別した妻と主人公の抱擁シーンがありますが、こちらはあるハッピーエンドとつながりが暗示されます。
これも主人公の少女を助けようという動機につながっているように思えますが、それが「我が子」なのか「妻」なのかが今ひとつ判然としません。ひょっとしたら「家族」という事なのだろうか。この点はまだ完全には理解出来てないです。

最後のシャッターを開けた直後のシーンは良いですね。韓国映画の陰惨さから世界市場で通じる映画作りという方向性がこのようなエンディングにつながったのじゃないでしょうか。