どのようなストーリーか予断なしに見たら思っていない展開でありました。
ネタバレあります。
オープニングはヒロインの独白が置かれる。そしてプレゼントを探すヒロインはある物を見つける。
次に現れたのは謎の事故死を遂げたヒロインの父親の葬儀。そこへ姿を見せる異物としての叔父。ギクシャクした母と娘(ヒロイン)の三者関係がピークに達した時に何が起きたか。
−−−といった所でしょうか。感情移入を拒否した作りになっていて観客は覗き込む形で物語を見る形。この構造故に母と娘は不合理な域まで対立し、叔父の違和感とその目的が中々見えないようにしている。
本作で出てくる公的な組織は高校と保安官のみ。途中「これだけ人が消えていて何もしない警察って……」と思ったら保安官登場。なんとタイミングの良い。
物語の構図は後半に入るまで見えてきません。ただ人が消えて行き、その原因は叔父にある事は明示されます。それでも目的が分からない。その目的が分かるのは後半に入ってから。そこから俄然面白くなるのですが、最後に冒頭のヒロインの独白と繋がるシーンが入り再び観客は何故?という疑問の中に放り出されて終了。
ミステリーとして途中から捉えていたのですが冒頭のシーンに回帰した時、その解釈は誤りだと思い知らされ、そして社会との接点になりえた保安官への対応を通して社会の関与を拒絶して終えていたように見えます。下手な解釈を拒否する為にあのような終え方をしたのかなと思うのですが、さてさて。。。
叔父とヒロインが連弾する四手ピアノ楽曲のみ現代音楽の作曲家として知られるフィリップ・グラスによる作品。叔父とヒロインが絡み合うセックスの代替のような作曲は監督のオーダーとの記事もありました。下手な音楽映画より音楽は凝っていてここだけでも聞く価値あります。
翻訳。「House keeper」を「使用人」、「Mrs.」を「夫人」と訳すセンスはちょっと謎。前者は家政婦、後者は単に「ミセス」でいいと思うんですけどねえ。