2018年8月26日日曜日

映画「ペンギン・ハイウェイ」分析編

TOHO Animation枠配給の長編アニメーション映画。
監督:石田祐康、脚本:上田誠(ヨーロッパ企画)、音楽:阿部海太郎
アニメーション製作:スタジオコロリド
原作:森山登美彦「ペンギン・ハイウェイ」
公式サイト: http://penguin-highway.com/

物語の核心について触れています。








1. OUTLINE
  世界の謎を解き明かす少年の物語。見事なジュブナイルかつハードなSF作品。お姉さんの台詞をきちんと全て聞いておかないと少年の探求の論理性が見えにくい作品でもある。

 劇中2018年6月29日から9月にかけての2カ月あまり。少年もお姉さんも声が合っていてその掛け合いが楽しい。脇を固める声優陣も上手い人が多く安心して見てられる。しかもかわいいペンギン描写もすばらしい。予告編から想像もできない世界を見せてくれる。


2. お姉さんという存在とアオヤマくん
  最初は「なんのかな、アオヤマくんというお子様は?」と思ったのですが別に性的な意味であれが好きだとは言ってない。エロガキならもっとほかの女性にもそういう目を向けておかしくないがそういう描写は存在しない。
「チェスの師匠で行きつけの歯医者のお姉さん」という関係がどうして出来るのか全く語られずそれ自体が異常さを表している。普通じゃない事は端々に描写で入れている。あの辺りは原作もそういう描き方できちんと内容把握して映像化している。

  登場人物の中で同級生の女の子が一人だけアオヤマくんが何故お姉さんが好きなのか明確に理由の疑い突きつけていた。でもアオヤマくんの感情の由来は作中外にはみ出していて語られていない。そして彼がお姉さんが好きだ(というか未来の結婚相手だと心に決めている)というのはいつ始まった事なのか明らかにされない。ただ彼の想いは昼に寝入ったお姉さんのスケッチに添えられた言葉とその際にタオルケットを掛けてみせたあたりで察する事が出来る。
  一番象徴的なのは9月の「海」膨張の際に「海辺のカフェ」でお姉さんにアオヤマくんが研究成果である仮説を説明した時。警察官が捜しにやって来て机の下に隠れた二人が頭をぶつけた時、お姉さんが見せた悪ガキ笑い、そして戻ってきてコーヒーを飲み終えた時にお姉さんが彼を抱きしめつつ言った「本当の大人になるところを見ていたかった」という台詞であろう。


3. お姉さんの謎
  お姉さんはバス終点の「ターミナル」転回所である事をやって見せて、そして少年アオヤマくんに探偵役を委ねている。彼女は自身が謎の存在であるゆえに解き明かす事が出来ない。そして謎が解けないとその力の行使が妥当なのか彼女自身に迷いがある。
彼女は喫茶店でコウモリを出してしまう。また「不思議の国のアリス」を読み悪夢を見る。そして作中の怪物ジャバウォックがペンギンを捕食する者として具現化される。
彼女は自身の記憶が確かなものだと感じている。でもそれが実在しないものなのではないかと近鉄で「海の街」を目指して生命の危機を感じた時に疑念は持ったはず。

  事態は進展して一線を越えて手に負えない状況になった時にアオヤマくんは仮説と解決手段の可能性を示し、お姉さんはそれを信じて行動に移している。
  この世界は多分書き換わっていてそれでお姉さんの存在が定義されたように見える。そしてその存在を鍵として回せるのは少年しかいない。世界の謎とアオヤマくんの願いは多分表裏一体。
  9月6日か7日。ペンギンサーカスとアオヤマくんの活躍で謎が解かれる。死というテーマがある一方で(妹が夜に兄の元に哲学的な死の怖れで泣きついてくるシーンはこれを明確に示す為でもある)時空、世界の果てにある可能性にアオヤマくんは希望を抱く。

  観客にはアオヤマくん以上の情報が提示されている。そして映画でアオヤマくんとお姉さんが行き着く先とそれらは明確な説明はされないがつながりがあるのは分かる。それを辿る事も「ペンギン・ハイウェイ」の楽しみ方の一つだと思う。


4. アオヤマくんとお姉さんの旅路の行き着く先
  お姉さんとアオヤマくんがたどり着いた先で見ることになる360度PANで示される世界。アルファでありオメガな世界観を提示している。それでいて坂道のある町を貫く小川はハマモト先生達のいる広場にあった郵便ポストが源流になっていた。果てのないと思われた川には起点があった。
  そしてそれはお姉さんの謎につながり、映画の終わりは何も終わりではない可能性も表すヒントだろうとも考えられる。セリフ説明しない振り切ったSF作品にもなっている。

  アオヤマくんはお姉さんが姿を消した事について死ではなく時空の果てに戻るだけなんだと思うようになっている。
最後にペンギンだと思って野原に駆け出したアオヤマくん。そこで見つけたもの、ペンギン号の帰還は彼にとって未来への希望になったと思う。それが果たされない夢なのかそれともいつしか再び出会って彼の想いを語れるのか。それは観客に委ねられている。

  夏のアニメ作品では一押し。ファミリー向けと思える「ミライ」に比べ幅広い世代が楽しめる作品だと思う。


5. 考察
・「海」:高原とは高山の森林限界を超えているなどしてないのであれば人為的に維持されているものでほっとけば森林に戻る。「海」のある場所があのような草原状態が維持されているあたりで「海」の膨張は過去にもあった可能性はありそう。

・「ペンギン」お姉さんが愛する動物であり缶ジュースなどの物体に「海」物質をくわえて変換して生み出す。そして「海」からペンギン・エネルギーを受け取って維持され、エネルギーがなくなると元に戻る。

・「ジャバウォック」お姉さんが「鏡の国のアリス」を読んでみた悪夢が反映されている。海辺のカフェでのチェスの駒がコウモリに変化したが、ジャバウォックは「海」の一部から出来ているように見える。お姉さんがアオヤマくんを連れて海辺の街を目指して体調が崩れた時、ジャバウォックが姿を見せた。またお姉さんが夜、マンションで苦しんだ時にはベランダの柵に何か湿ったものが登った痕跡が残されていた。
ペンギン軍団による「海」退治の中で「海」に戻ってペンギンに駆逐されている。

・「お姉さん」:彼女は何者なのか。両親の記憶などあるというが故郷は実在するのか分からない。ただアオヤマくんのノートに書かれた今後の調査計画でお姉さんの故郷探しはリストアップされている。原作だと鉄道の新線が出来たら行きやすくなると言及されている。
11月、猫をペンギンと勘違いしたアオヤマくんは調査で「海」に投げ込んだペンギン号が「海」による時空の穴を通り抜けて帰ってきているのを見つけている。ちょうどお姉さんが消えた地点でもあった。ペンギン号が「海」に入った事でお姉さんがあらゆる時空に存在するようになった可能性はあるかもしれない。
・公式読本所収の「郵便少年」はアオヤマくんが小学3年生の時のエピソードが出てますが原作的にはこちらに重大なヒントが含まれているように見える。原作+短編に登場するある人物(「ペンギン」原作世界において唯一姓名がある人でもある)がお姉さんと密接な関わりがあるのではないか、そんな想像が出来る。これは映画の提示したお姉さん像に対する原作側のもう一つの読み筋ではないか。


6. 作品時系列
2018年
6月29日(金):朝、ペンギンの出現。夕方歯科。帰宅後、自室でペンギン事件の研究ノートに「ペンギン・ハイウェイ」と命名
6月30日(土)?:ペンギン目撃者インタビューをウチダくんと実施。夜、「海辺のカフェ」でお姉さんとチェス
7月1日(日):晴。スズキくんと小競り合い。バス回転所でお姉さんがペンギンを出した。そして最初の浜辺の夢を見た
7月2日(月):アオヤマくん、父親にお姉さんの謎の研究を宣言。コーヒーを飲ませてもらう。お姉さんとペンギン実験を決意。放課後、曇の中で第1回お姉さんとアオヤマくん実験(失敗)。アオヤマくんはお姉さんと道々での会話で「大人になるまであと3831日」(単なる誤り?)
7月3日(火)〜6日(金)の間の1日:放課後、ウチダくんが匿っているペンギンにアオヤマくんが引き合わされた。水族館にウチダくんが捕獲したペンギンを連れてコスモスクエア行き列車に乗った所、煙突がある工場の近くを通ったあたりでペンタの具合が悪くなり途中の駅で降りた所で消失
7月8日(日):夜「海辺のカフェ」でアオヤマくんとお姉さんがチェスをやっていてコウモリを発生させた
7月9日(月):曇時々晴、雨。第2回お姉さんとアオヤマくん実験(成功)。アオヤマくん、お姉さんのマンションに祝勝会で招待される
7月10日(火)?アオヤマくん、父親とドライブ。喫茶店で世界の果ては袋が表裏反転したものである事もあるのだとアドバイスされる。何故この平日なのかは不明。
7月11日(水)?:6月カレンダーのある教室でアオヤマくん、ハマモトさんとチェス対決。
7月12日(木)?:ハマモトさんに「海」研究へ誘われウチダくんと参加(「海」研究開始?ノートに記載あり)
7月18日(水):夏休み開始
日付不明:ハマモトさん、何故か8月16日(木)夏祭りのチラシをアオヤマくんに見せる
8月1日(水):夏祭り。ハマモトさんとお姉さん遭遇(「お姉さんと21日間会ってなかった」とノートにあった)‬
8月6日(月):ペンギン号の「海」投入実験。ペンギン号が行方不明に。‪スズキ・ナガサキ・コバヤシくん、お姉さんとペンギンが「海」高原へ‬姿を見せる。ハマモトさんにお姉さんとペンギンの秘密が知られ仲が険悪になる
8月16日(木):アオヤマくん自室でノートに疑問点を書き込む
日付不明:<海>を探して森に大学研究チームが出没。ウチダくんが果てのない川について突き止める。<海>高原でアオヤマくん、ハマモトさんとウチダくんに研究中止を提言、決裂
8月25日(土)?:夜、ハマモト先生が宮田歯科クリニックを訪問、その後帰る際にアオヤマくんと出会って「虫歯」治療だと言って立ち去った
8月26日(日)?:アオヤマくんとお姉さん、列車で海の見える町に向かうが大きな煙突のある「工場」の近くを通った付近でペンタ事件と同様にお姉さんの体調がおかしくなり引き返す‬
9月3日(月):始業式 or 授業再開日?
9月4日(火):授業日。ジャバウォックの幼体?をスズキくんらが捕獲していて自由研究で持ち込み。ハマモト先生の大学が事情聴取。<海>高原閉鎖。台風来襲。‬アオヤマくん絶食実験
9月5日(水):アオヤマくん、高熱で学校休み(6日も休んだ?)。夜21時過ぎ、お姉さんがお見舞いに来ている(壁掛け時計がありお姉さんの顔が見えた時に写り込んでいる)
9月‪7日(金):「海」拡大。学校避難所に。ハマモト先生は行方不明。‬アオヤマくん、ハマモトさん、ウチダくん、スズキくんらの助けで学校から脱出、「海辺のカフェ」でお姉さんに仮説を説明。世界の果てにペンギン達と共にハマモト先生たちを救いに行く。
「海」とジャバウォックをお姉さん指揮のペンギン軍団が消し去り世界修復に成功。 元の時空に戻りペンギン達は元の姿に帰って行く。 最後にお姉さんも「海辺のカフェ」を出て消えた
11月16日(金):エピローグ。「海辺のカフェ」でペンギンを目撃したと思いきや猫だった。そしてペンギン号がアオヤマくんの元に帰還した

・6月29日時点でアオヤマくんが大人になるまで3888日。秋、物語の終わりの時には「あと3748日」と記していた(計算では2018年11月16日(金)となる)
・カレンダー、9月5日の教室で6月カレンダーが掛かっているシーンがあった(ちゃんと9月カレンダーの時もある)。多分ミスで円盤になったら修正になるのか時空関係の仕込みなのか。


9. ちょっとした描写に関するメモ
オープニング
・アオヤマくんが空き地に現れたペンギンを観察しに近付いたシーン。ペンギンの2つの瞳がクローズアップされた時、右側の瞳には見つめているアオヤマくん、左側の瞳にはお姉さんの後ろ姿が映っている。

原作と映画の相違点
・原作:「海辺のカフェ」はお姉さん命名の非正式名称。映画:黒板に書いてあったりするので正式?
・原作:ハマモトさんの家はウチダくんと同じマンション。映画:一軒家
・原作:スズキくんは「海」の砲撃を受けて時間を少し遡行していた。映画:カット
・原作:ペンギン号は複数あり1号は「海」で行方知れずになった。この時はお姉さんもスズキくん達はいなかった。2号はお姉さんとスズキくん達が「海」高原に来た時、ウチダくんを救うためお姉さんが投げてペンギンに変化した。映画:1号のみ
・原作:お姉さんのお見舞いについてお母さんが現実にあった事を告げている。映画:お母さんとの会話はカット
・原作:けいはんな線は構想のみ。映画:けいはんな線に乗っている。
※原作は著者の森見さんが10歳の時を想定して書かれているようで1988年頃の生駒市がモチーフになっている。映画はそれを30年後の2018年に移している。このためデジタル機器は薄型テレビ以外は出てこない事にもなった。

アオヤマくん
・2018年6月29日(金)から3888日後は2029年2月19日となる。
・部屋の机の左側一番上の棚に「郵便少年」を反映したものが2点ほど置かれている。

お姉さん
・お姉さんの名前:アオヤマくんがお姉さんのマンションに飲食物をコンビニ袋に入れて届けた時、家の表札が見えていて書かれている可能性があるのですが、流石に読めるように書いていない。
・お姉さんの本棚:森見登美彦「美女と竹林」。キャロル「鏡の国のアリス」。歯科本。パスタ料理本。「京都さんぽ」「奈良・生駒」の観光ガイド本。チェスの本。「ボビー・フィッシャーを探して」(有名なチェスプレイヤーの本)、「鏡の国のアリス」など
・アオヤマくんがスズキくん達に捕まったバスターミナル(転回所)の待合所。総ドン進行中に一度待合所が映りますがよくよく見るとお姉さんが座っているようで足が見えている(!)

小学校
・学校名は「石館市立梓弓小学校」らしい。梓弓(あずさゆみ)は古代に梓という木からつくられた丸木弓を言い狩猟や神事に用いられた。「石館市」はプロップデザイン・原画担当されている石館波子氏の名前に由来か。
・1学年3クラス編成。教室には薄型テレビが設置されている。

鉄道
・劇中で登場する電車は近鉄けいはんな線をモデルにした鉄道で「コスモスクエア」行きの近鉄型車両が描かれている。第3架線方式のため架空電線はない。アオヤマくんは3回乗車(ウチダくん&ペンギン、お姉さん、エピローグ)。いずれも右側を通行していて通常と左右逆になっている。発車音がまるで気動車。
・二人が待ち合わせていた駅の地図。右側が北になっている。
・お姉さんとアオヤマくんが引き返した駅の路線図はお姉さんがフラフラと歩いて行った方が「コスモスクエア」となっていて左右逆。
・原作では料金入り路線図の端に目的地の「海辺の町」の駅があるらしくお姉さんに言われてそこまでの切符を買っている。なので原作通りならお姉さんの出身地とされる最寄り駅だけは把握している事になる。
・電車内の吊り広告。夏の間は伊勢志摩、エピローグの秋には古都に変った。お姉さんの本棚に京都の観光本があったのが想起される。

海辺のカフェ
・アオヤマくん側の背後の壁面壁にアルバムジャケットが3枚飾られている。1枚はビートルズ「アビイ・ロード」か。
・「海辺のカフェ」店名は黒板に書き込まれているのですが最後が「la mer」だと「海辺」というより「海」になりそうな感じが(ちゃんと全文調べないとダメかな)。

「ペンギン・ハイウェイ公式読本」 残念ながら本書は紙版書籍のみでの発売です。
・原作者、監督、脚本、音楽など主要メンバーのインタビューがあって「ペンギン・ハイウェイ」の原作プロセス、そして映像化プロセスで何に気をつけたか等明らかにされている。前日譚短編小説も掲載。
・石田監督は原作重視。脚本の上田誠氏はオリジナルのエピソード提案をされていたようですが全部落とされたとの事。
・「科学の子」アオヤマくん、「哲学の子」ウチダくん、アオヤマくんの鏡像としてのハマモトさん。映画だとウチダくんが目立たない事を懸念はされていたようですが映画を見るとウチダくんがいるからアオヤマくんが動けた事も多い。地味だけどいいアシスト役だと思います。
・お姉さんスケッチのシーンに限らずアオヤマくんのお姉さんへの思いについては相当慎重に描き方を選んでいる。単なるエロガキにしないための配慮はされている。
・「郵便少年」小学3年生のアオヤマくんのエピソード。原作者側から仕掛けた作品解釈につながる話でもあるように読める。


「ペンギン・ハイウェイ完全設定資料集」
・キャラクターデザインや美術、設定関係をまとめた資料集。アオヤマ研究ノートもいくつか完全掲載されている(パンフレット所収分と合せてみると相当部分が確認できますが、いずれにも未掲載の割愛されたページはあります)


「ペンギン・ハイウェイ オリジナル・サウンド・トラック」
・エンドテーマ曲を除いて収録。面白い事に曲順は映画登場順ではなく、タイトルは映画台詞では出てこない原作で使われている言葉も多く使われている。
・小規模編成だと思うのですが管弦楽オケ。そこに鋭いパーカッションが使われていてマーチング風だったりしながら主人公たちを鼓舞する。そこで思わず「行け!アオヤマ」やお姉さんの口笛が聞えてくるはずである。


宇多田ヒカル「初恋」所収「Good night」
・エンドテーマ曲。アルバム「初恋」に含まれている。「Good night」は「海辺のカフェ」のヤマグチ氏が最初に「ぐんない」と言う事から来ている(その後、アオヤマくんもお姉さんの使った)。
歌詞の内容も「ペンギン・ハイウェイ」のアオヤマくんとお姉さんについて当てて書かれたように聞える。そんな歌詞に宇多田ヒカルサウンドがマッチしていて素晴らしい。つまり傑作なのだ。

原作)森見登美彦「ペンギン・ハイウェイ」
・原作と映画は描いた世界の解釈に相違点はある。原作は80年代後半の新しく出来た住宅地、映画では出てくる近鉄けいはんな線がまだ計画だった時代を背景に描いていて公式読本を読むと雑誌連載時から単行本化でリライトで手を入れて完成させた経緯が語られている。原作著者もまたこの「ペンギン・ハイウェイ」世界を外部から見ている観察者の一人という風にも取れる。
・映画は良い意味で原作世界を呑み込み咀嚼している。舞台は2018年と30年後に移された。そして原作に出てこないようなデジタルガジェットは入れないまま(例外は薄型テレビだろう)、原作のエピソードを順番入れ替えなど施しながらそれでもどこかで原作で読んだぞと思わせる忠実な映像化を実現した。そして最後に世界解釈についてオリジナルのカットをくわえてきた。原作に対して正しく相対して新たな意味をくわえて見せた。公式読本所収短編「郵便少年」と合せて考えてみたい。そんな世界解釈の競い合い。映画を見られた方は是非小説と「郵便少年」を読んでみて欲しい。またペンギン・ハイウェイ世界の奥行きが広がる事は請け合います。