2010年12月31日金曜日

私的映画ランキング2010

私的2010年映画ランキング(2010年に映画館で私が見た基準)。見たのは36本でした。

1位 ノーウェアーボーイ
 デビュー前のジョン・レノンを映画化。実母と実際に育てた叔母との関係を軸に丁寧に映像化されていました。エンドロールの「Mother」が泣けます。

2位 サイタマノラッパー
 今年見ていたのでランクイン。地方ライフを上手く描写。ただツッコミを入れるとすれば在来線で1時間程度で東京に出られる東京都隣接県を地方に入れていいのか問題はありますが……。

3位 ローラーガールズダイアリー
女子高生がローラースケートレースのプロチームに入って……というお話。ドリュー・バリモアさんの初監督作だそうですが良き脚本と主人公のエレン・ペイジさんの演技が相まって大変良かったです。それにしても女の子が強いのは日米で同調性があるなぁ。。。

4位 クレイジーハート
人気の頂点を過ぎた初老のカントリーシンガーソングライターとある母子との交流を描いた作品。子供との関わりである事が起きますが、あのシーンは日本人には理解しにくいところがあるなと思った。ともかく音楽、ストーリーと最高の一作であるのは確か。

5位 南極料理人
たまたまやっていたのでまた見ました。2回目です。「伊勢エビで作って見せます海老フライ」「鹹水がなければイースト菌でいいじゃない」といった内容の映画ですが、そこがいいんですよ。

6位 ハート・ロッカー
現代アメリカ社会の一面である「軍」に所属して戦場で使命を果たす意味を問う作品。アメリカ軍の下士官視点ながら犠牲となっていくイラク民間人の姿を描いている点は好感が持てます。反戦と正義(アメリカ視点ではありますが)という観点で興味深い作品

7位 ケンタとジュンとカヨちゃんの国
重いテーマ性を持ったロードムービー。ただエンディングは今ひとつ納得しかねてます。ロードムービーであれば目的地=エンディングが良いと思うのですが……。正直、その後が蛇足的な展開に陥ったのが残念。

8位 プレシャス
重いテーマをうまい表現で見られるように演出されているところが良いですね。山本寛監督の「私の優しくない先輩」の方向性と重なるところがあると思いますが、きちんとした表現として完成させている点で「プレシャス」に軍配が上がります。

9位 ヒーローショー
井筒監督作品は初めてスクリーンで見ました。暴力表現が強烈ながら簡単に死なないのが「?」。個々のシーンはすごく良いのですがつながりが悪く感じられる展開だったのが残念。

10位 INCEPTION
含蓄に富んだ世界観、マトリョーシカのような「夢」の構造等々。傑作だと思います。マイナス点は巨大なバジェットがあって初めて実現できた作品であろう点。SFXに頼りすぎじゃないかと思うところがあってこの順位になりました。

11位 インビクタス
ラグビーを知らないであろうアメリカ観客対策バッチリ。ルールが分からなくても楽しめる点が凄い。

12位 ハングオーバー
上映されて良かった。

13位 母なる証明
すごい癖球。

14位 ソラニン
DVDの宮崎あおいライブ映像が素晴らしい。逆を言えば本編のライブシーンの編集、過去シーンの挿入は疑問を感じています。

15位 ノルウェイの森
スタイリッシュ&原作リスペクトに溢れた映像化。但し村上春樹の音楽に対する偏愛は表現し切れていない。


16位 トイ・ストーリー3
おもちゃの使命。町山さんの言うところの「それでもやるんだよ」感溢れた佳作。これを肯定しすぎると階級の固定化につながる危険性も感じた。


17位 第9地区
人種差別をSFで扱うとこうなるという良作。ただ他国を誹謗するかのような設定はどうかな。。。

18位 機動戦士ガンダム00 - A wakening of the Trailblazer -
TV版と違った展開へ。でもガンダムの意味は?

19位 アウトレイジ
スタイリッシュ。ただ今からするとストーリーが整理されすぎている気はします。

20位 SRサイタマノラッパー2女子ラッパー☆傷だらけのライム
これ聖地巡礼しにくいんですよね。(埼玉ロケが多かったはず)

21位 マイレージ・マイライフ
垣根涼介「君たちに明日はない」シリーズとの類似性が興味深い。

22位 アバター3D
3D映画を普通の映画のようなレベルで完成させたショーケース。

23位 十三人の刺客
昔の時代劇オマージュ。当時の時代背景考証が不足。史実+虚構が面白いのに。

24位 告白
良くも悪くもPV手法が横溢。

25位 半分の月がのぼる空
原作に対して叙述トリックを入れてきたあたりが監督・脚本家の勝負所でしたが何か惜しい感が残る映画化。

26位 涼宮ハルヒの消失
TV第2期の焦土の後だったのが残念。

27位 ブルーノ
日本が舞台だったら笑って見ていられないだろうなと気付いた時点で離脱。ある種の真摯さは分かるのですが見ていられるかと言えば無理でした。

28位 ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲
三池監督、宮藤官九郎脚本が遊びすぎ。

29位 アリス・イン・ワンダーランド3D
これも時代設定がおかしい。現代の政治的に正しい脚本って何かおかしくないですかねぇ。。。

30位 オーケストラ!
パトロンを舞台に上げて縛り付けるとかろくなゲネプロなしに演奏するとか。。。

31位 武士の家計簿
CMの「鯛」の絵のようなKUFUシーンがもっと欲しかったです。

32位 Space Battleship YAMATO
原作は実は「課長島耕作」ですよね。オフィスラブ要素、企業間の戦いを宇宙戦艦に置き換えていますし。。。

33位 ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女(途中離脱)
結構大作な原作を無理繰り映画化。ドラマ版でじっくり見たかったです。

34位 私の優しくない先輩(途中離脱)
原作を見て、よく映画化したなと思った。あとあのような演出をするなら意図をもっと示さないと観客置き去りです。

35位 3D FURUSATO
「だいち」の撮影映像を延々と流してくれればそれだけで満腹できたのに、わざわざ有名脚本家を投入しておかしくなった作品。

36位 劇場版文学少女
原作はライトノベルですが文学作品を背景にしたミステリーなのか、主人公を巡る奇妙なファンタジーなのかというあいまいさがプラスに働いていました。映像化に関してはそこがうまくすくい取れず非論理的なストーリー展開に陥って修復不能に。監督と脚本家の力不足。