2017年9月4日月曜日

映画「新感染」(原題「釜山行」)メモ

  少し見ていて事情が分からなかった点があったので調べた内容をメモとして残しておく。そんなに分量はないです。

(注意)物語の核心に触れている部分があります。



















1.韓国の鉄道・高校野球事情

KTX

  • 2017年4月改正KTX時刻表 こちらではKTX101号釜山行きはソウル5:15発→釜山7:51着。劇中ではソウル5:30発とされていたので同時間で着くのであれば釜山8:06着だったと考えられる。
  • 路線図 「新感染」更新期サイトの作品情報にシンプルな地図が載っている。
  • 乗降口 First Class(特室)との表示があったが「1A→12C」「14D→1A」というふうな座席番号が書かれていて(ここでの番号はデタラメです)、その乗降口から近い座席が分かるようになっていた。またここを見れば一般室4列、特室3列である事も一目で分かる)これは日本でもやって欲しいですね。

高校野球事情

  韓国はクラブ活動がないと思っていたのですが、高校野球は例外のようで太平洋戦争前から続いていて、戦後は夜間外出禁止令もあったためかプロ野球の創設が1982年と遅く人気も高かったらしい。(プロ野球が出来てからはそちらにシフトしているとの事)
チーム数は多くないがその代わりに全国大会がいくつかあって競い合う事やプロ野球の登竜門的位置付けもあってレベルは高いとの事。
  なお彼らが高校野球チームである事はワッペンに「HIGH SCHOOL」の文字がある事で分かります。

2.私的感想メモ

  • 時間要素は意図的に排除されている。分かるのは冒頭のKTX101号のソウル発時刻が5時30分であるという事のみで、車内テレビのニュース、スマフォなどでは時間要素は一切見せていないと思う。ただ最後のシーン、辿り着く所要時間は分からないが、太陽の影の感じからは昼過ぎぐらいではないだろうか。そう考えると如何にあの過酷な旅が短時間のうちに推移したか想像できる。
  • 今、誰がどの車両に乗っているか。この点は台詞などで示されているので、この点は踏まえて見ておくといいかなと。
  • 「順番」という命題の物語だと思う。あの妻の妊娠を喜び守り抜こうとした夫、ホームレスの男、そして主人公。全員、その事に気付いていた。ホームレスの男にとってあのような勇気を見せる必要はどこにもなかった。
    「フューリー」も似たような事を描いていたと思う。突き詰めていけば巡り合わせであり「順番」だったのだと思う。
  • もう一方で描かれていたのは、バイオ企業の事故で感染したゾンビになってしまった人と対比して、デマすら辞さないバス会社の常務の姿。扇動し他者を犠牲にして生き延びようとした。彼は精神的に先にゾンビになっていた。あのような姿は災害で利己的に振る舞う人物が出てくればあんな感じになるのだろうと思う。
  • ゾンビ映画は社会風刺出来る世界である。本作もその系譜の中で超高速鉄道ものという新しい挑戦を行い見事に作品として成就させている。見ておくべき作品の一つなのは間違いない。