2016年1月16日土曜日

[映画] フランス組曲 未完の大作をエンハンスした脚色の妙

 ユダヤ人である事を理由にフランス憲兵に逮捕されてドイツに引き渡されてアウシュビッツで命を落とした小説家イレーヌ・ネミロフスキーの未完の小説「フランス組曲」を映画化。原作が世に出たのは2004年。遺稿のはいったトランクを父より託されたが悲しい思い出故に開けることなく60年後に調べてみたところ、小説「フランス組曲」の第2部までの原稿と第3部以降の構想メモなどが出てきて、母の意思を実現すべく完成していた第1部「6月の嵐」、第2部「ドルチェ」が刊行された。(邦訳は白水社より刊行)

 胃が痛くなるような緊迫感に満ちた映画。占領されたフランスの片田舎にドイツ軍が進駐して民家に分宿する。その中で様々な出来事の連鎖が起きる。

 以下、ネタバレも含まれます。